玄水 / Gensui
蕎麦仙人が提唱する古式蕎麦って何だ!?
これは、名古屋にある蕎麦の名店『玄水』が提唱する蕎麦だ。日本の蕎麦は収穫量の増加を目指して品種改良を繰り返し、その土地ごとに育てられてきた在来種が減少した歴史があります。その中でもわずかに生き残った在来種にこだわった蕎麦、それが古式蕎麦なのです。
これを体現するのは、名古屋で蕎麦仙人とも称される高橋長次郎氏。蕎麦を打つこと40年以上の大ベテラン。蕎麦における全ての”なぜ”に答えてくれるので、蕎麦へのピントが鮮明になってまいります。そんな仕入れたての知識も織り交ぜつつ、ラン限定の「蕎麦三昧」コースをご紹介させていただきます。
「先付」
蛍烏賊の西京味噌和え
「八寸」
鴨炙り、板わさ、あん肝の旨味、自家製湯葉豆腐、焼き味噌。ちなみに、蕎麦前に置いて焼き味噌は定番だが、これは醤油が登場するまでは味噌で食べた名残なんだとか。
「そばがき」
祖谷在来種。徳島県の祖谷村の蕎麦だが、この土地は日本三大秘境といわれているそう。隔絶した立地がゆえに在来種が生き残ったのでしょうか。厳しい気候は蕎麦にとってはポジティブで、まろやかな風味と甘味が魅力なんだとか。なるほど、出来立てならではのテクスチャーのそばがきからは十分な甘味が匂い立ちます。美味い。
ここから天麩羅。専門店顔負けのカラッとした仕上がりが魅力。特に皮付きの新じゃがなど、皮をカリカリに油で焼き上げ、中はホクホクに仕上げる。
「海老頭」
「車海老」
「原木椎茸」
「新じゃが」
「牡蠣」
「タラの芽」
ここから蕎麦。なんと4種類も続きます。もちろんその全てが在来種。しかも、蕎麦によって全て水の硬度を変えて打つという徹底っぷり。その土地のテロワールを引き出すのには、そこの水が一番良いに決まってるからと。確かにそうだが、言うは易し行うは難し。さすが蕎麦仙人だ。
「伊吹在来種」
日本のルーツとされる在来種。香りの強さと野生味のある味わいが特徴。
「丸岡在来種」
在来種の中では一番メジャーだろう。福井県が誇る在来種で、香りも食感も粘りもかなり強い。
「椎葉在来種」
在来種というだけで希少だが、その中でもさらに希少という在来種。年間たったの3トンしか生産がないのだとか。粘りも弾力も何もかも強い。
「比和在来種」
広島県産の在来種を鬼おろしにて。
これらの蕎麦と合わせる選択肢も多く用意される。キリリと鰹が効いた出汁、脂も落ちて濃厚な味わいの鴨汁、さらには大根の絞り汁の3種類。もちろん塩や山葵でシンプルに食べるのもよし。ちなみに、蕎麦は最初は大根の絞り汁で食べる文化だったそうで、その体験も味わえます。薬味にネギが参加していないのも特徴ですが、ネギはもともと冷蔵庫のない時代の臭い消しの役割だったのだとか。つまり、ネギは蕎麦の風味までも奪ってしまうから使用しないそうです。本当に勉強になります。ご馳走様でした。
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コーヒーハウス マキ / COFFEE HOUSE maki
懐かしいけど新しいモーニングセット! 京都の出町柳エリアにある喫茶店『コーヒーハウス マキ (COFFEE HOUSE maki)』へ。創業1996年、2代続く昔懐かしい雰囲気の喫茶店。朝の8時半の開店とともに、地元の人々だけでなく観光客でも賑わう人気店でございます。 人々を惹き寄せるのは名物の「モーニングセット」。 懐かしいけど新しい、新しいけど懐かしい、そんなアウトプットのトーストが名物。パンの耳を器にして、ゆで卵やハムやサラダが盛り付けられます。くり抜かれた部分はカリカリに焼きあげ、染み込んだバターの風味が口いっぱいに広がります。ハムやゆで卵をパンのお供にして食べすすめるもよし。 耳をどう食べるかが問題になるが、いろんな方法が提唱されております。例えば、サラダにかかってるオーロラソース的なドレッシングをつけて食べてもよし。常連さんにもなると、耳だけまたトーストしてもらうなんて技もあるらしい。地元でも愛され続ける喫茶店ならではのエピソードですね。 懐かしいけど新しいモーニングセットをどうぞ! Visit... More
インドカレー フジヤ / Indian Curry Fujiya
『インドカレー フジヤ』、日本橋小舟町にて復活。
日本橋三越前で下駄屋として、初代が1908年に藤屋を創業。時代の変化を読み取り、1996年に3代目がカレー屋として転身しております。それから多くのファンを抱える人気店へと成長したが、2021年に閉店。カレーファンをたちを悲しませた出来事でしたが、翌年にここ日本橋小舟町の地にて再オープンを果たしております。
チキンカレー、800円。
シルエットに変化なし。カレーを入れる器も同じものを使用しております。特徴は、たっぷりの玉ねぎが作る甘味と後を追いかけてくる強烈なスパイス。スープがなくなるまで煮込むとのことで、濃厚さを手に入れており、辛さもあいまってご飯と相性がバッチリに。ゴロっとした骨つきのチキンも食べ応えあり。
こんな美味しいカレーがなくなったら困る!復活おめでとうございます、ありがとうございます。
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TANE
別府市駅前本町にあるカレーショップ『TANE (タネ)』を訪ねます。
店内はナチュラルテイストな空間で、漂う空気感のオシャレ度が只者ではない。まるで下北沢のオシャレなカフェに来たかのような雰囲気。センスが際立つのは、空間ばかりでなくもちろんカレーも。シェフは本場インドに何度も足を運んで南インド料理を学んだそうで、俄然期待が高まります。
メニューは、南インドの定食であるミールスを提供。別府ではまだまだミールスの認知度が低いそうで、丁寧に説明をしてくれるが、ある意味でパイオニア的なポジションということが伝わる。基本は野菜や豆だけで作られるベジミールスが主役で、魅力的な野菜の産地である大分と実にマッチしたアプローチだ。ちなみに、ノンベジのメニューも、チキンとマトンの2つが追加で注文可能になっております。
11時から反時計周りに、
「サンバル」スパイスを使ったスープ。完全に味噌汁的ポジションで、野菜の甘みをしっかり感じさせます。
「ラッサム」トマトの酸味と黒胡椒の刺激で構成されたスープ。
「モール」自家製のヨーグルト
「アチャール」インドの漬物。大分の特産品であるカボスで作るのがにくい。強い酸味。
「チャトニ」インドのソース
「副菜」ジャガイモと豆
「エリセリ」ココナッツと南瓜
「野菜」青菜。これは苦味を担当。
全ての味わいに個性があり、混ぜて食べればその度に味が変わります。12時の場所にあるチキンカレーと明後日の場所にあるマトンを混ぜれば、たちまちインパクトのある味わいに。両方ともコクがたっぷりなので、その効果をビビッドに感じることができます。もちろん野菜達も魅力的だが、個人的にはこのチキンが優勝。
ちなみに、別府にはカレーショップが多いことはご存知ですか?外国人留学生数が日本一の大学があり、アジアの文化が急激に流入しているらしいです。別府が近いうちに、カレーの街になるかも!?その先駆者として、「TANE」の名前は刻まれることでしょう。
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串駒本店 / Kushikoma Honten
銘酒居酒屋の先駆け存在『串駒本店』をご存知だろうか?
創業は1980年、いち早く日本酒専用の冷蔵庫を採用するなどして酒蔵からの信頼を獲得。その信頼の強さは、希少酒のラインナップを見れば説明の必要もない。特に、入手の困難度が最も高いと呼ばれる十四代のラインナップには驚かされます。ちなみに、日本に十四代ありと知らしめたのは串駒である、と言われております。いち早くその魅力に気づいた先代の眼力にも驚かされます。
ちなみに、これは十四代の純米大吟醸「酒未来」。フレッシュで甘さのある味わいに関わらず、キレが良く輪郭のある日本酒だ。やっぱり、十四代は美味しい、、、
料理も計ったように日本酒と抜群の相性を発揮する。刺身や珍味はもちろんのこと、屋号の由来ともなっている串揚げ、名物とされるいしり餅、どれも自ずと日本酒を欲してしまうものばかり。
「お通し」あん肝最中、姫サザエ、穴子棒鮨、マスカルポーネの白和え
「梅の茶碗蒸し」
「刺身」本鮪、〆鯖、アオリイカ、煮蛸、鯛、平目の雲丹巻き
「串駒手巻きコロッケ」ほっとする味。笑
「串揚げ5種」マッシュルームうずら、エリンギ、トマトベーコン、長芋、豚肉
「いしり餅」先代の奥様が囲炉裏で焼く名物。きりたんぽのような雰囲気だが、醤油は魚醤だったり、いしるで炊いたご飯だったり、やはり日本酒にアジャストしていきます。
「珍味三種」烏賊塩辛、甘海老塩辛、烏賊の肝醤油漬け。日本酒を一生飲める、、、笑
「鮨駒」えんがわ、アオリイカと雲丹、漬け鮪と高菜。面白い組み合わせばかり。
銘酒居酒屋の先駆け存在は、今でも一番前を走る素晴らしいお店でした。ご馳走様です。 Have... More
ハラール ドーサ ビリヤニ / HALAL DOSA BIRYANI
フードコートに中に本格インド料理のお店!?
家族連れで賑わう成田のイオンモールへ。
その目的は買い物でも家族サービスでもありません。目指すはイオンモールのフードコート。実は、ここに食べログの百名店にも選出された本格インド料理の店があるんです。名前は『ハラール... More
長男、ほそのたかし / Chonan Hosonotaiashi
江古田にあるラーメン店『長男、ほそのたかし』を訪ねます。
亀有の名店「つけ麺道」出身の店主が本八幡に「長男、もんたいちお」を創業したのが最初。ここ江古田を二号店、錦糸町に長男、おかわしゅん」、長男シリーズが拡大しております。ちなみに、門田一雄氏、細野貴史氏、大川峻氏、やはり全員長男なのだそうだ。笑 もしかして、長男しか独立が許されない!?笑
江古田店のジャンルは、修行先と同様につけ麺。
麺は特注の極太のもので、茹で時間は12分もかかるという代物回転率が命のラーメン屋で、この選択はこだわり以外の何物でもない。その結果、強力なもちもち感とその先に香る芳醇な小麦の風味を手に入れております。そのままでも食べてほしいが、まずは梅かつおだけで楽しんでみて。ポテンシャルの高さを感じされることでしょう。
つけ汁は、国産な鳥の胴ガラ、ゲンコツ、カシラ、豚足、煮干し、鯖節など、150キロ以上にも及ぶのだとか。更に、20時間火にかけて旨味を抽出し、3日かかて仕上げていくのだとか。大層な話が並んでいるが、その努力は裏切らない。何重にも重なった旨味が麺をしっかりコーティングしていきます。少し冷めてくると印象が弱まるが、温め直しのサービスも行っております。
注文は特製ですが、ぜひこれを勧めたい。バラとロースのチャーシューのレベルが高く、炙った風味は食欲をそそる。極太のメンマや味玉にも強いこだわりを感じます。辣油やネギといった薬味もセットになっており、飽きさせない装置は随所に用意がございます。最後は割りスープでこだわりのスープを余すことなく堪能してみて。節系の風味が濃厚さを和らげて、華やかさを加えていきます。
ミトミえもんは次男なので、もし修行させてもらえたら、屋号は「次男、ミトミえもん」になるのかな。笑 楽しい妄想とともに、ご馳走になりました。
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出町ふたば / Demachi Futaba
明治32年創業、連日行列が作られる老舗和菓子屋『出町ふたば』を訪ねます。
明治の頃は薪を運ぶ大原女のおやつとして人気を博し、今では京都の人々はもちろん観光客にも愛される銘菓として知られます。行列のお目当てはずばり名代「豆餅」。文字通り、ごろっとした豆が印象的なこしあん入りのお餅。餅はもっちりした食感ながら、きめ細かさもあって重たくないのが特徴。こしあんもなめらかな口当たりでじわじわくる品のいい甘さ。さらに、塩気がほのかに効かせているのも食べやすい印象を作ります。そして、ビジュアルだけでなく食感のアクセントを務めるのが赤えんどう豆。特に皮の食感と風味がいいアクセントになっております。京都土産の選択肢にぜひ。
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東新宿サンラサー / Higashi-Shinjuku Sunrather
限定30食のスタンドカレー!?
新宿にあるカレーショップ『東新宿サンラサー』へ。ここがなかなか訪問のハードルが高い。
ハードルの高さは3つ。1つは、平日で週3日程度という営業。1つは、ランチのみという時間帯。1つは、1日30食限定という数量の少なさ。実際のお隣のお客さんなどは会社を休んで来てると言ってました。笑 立ち食いのカレースタンドで、お店はカウンター5席のみのかなり狭い空間。そして、店主のワンオペなのでカレーの提供人数に限界があるのだ。
ただ、これだけのハードルでも乗り越えて食べるだけの価値のあるカレーを提供している。
メニューは定番のキーマと週替わりのカレーが基本。どっちも食べられるあいがけが一番人気だそうだ。まず、花椒ポークキーマカレーを一口。ニンニクや香辛料でコーティングされたキーマは、味も口当たりも抜群。玉ねぎがベースになっているのか、少々の汁気が全て旨味となっております。もちろん花椒の刺激も見逃せない。
週替わりのカレーは「ふわふわ酒蒸し鶏のシャバ出汁キーマカレー」。もう解説が必要がないくらい全部言っちゃってます。笑 ほぐした鶏に味がしっかり浸透しており、スープ状のカレーからはたっぷりの旨味が。フライドオニオン的な薬味もいい仕事。
トッピングも抜群で、甘味のある味付けのメンマがまた美味しい。有料のトッピングには、さまざまなアチャールの用意があるのも嬉しいポイント。今回は牡蠣のアチャールをいただきましたが、他も魅力的なメニューが目白押し。
最後に、屋号の意味をご紹介しましょう。サンラサーとは、サンスクリット語で、サン=集まる、ラサ=味という意味。色々な味が集まり、これに吸い寄せられるようにいろんな人が集まる、そんなカレーショップなのです。高い訪問のハードルですが、乗り越える価値がございます。ご馳走様でした。
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みょうが屋 / Myoga-ya
宮崎が誇る老舗焼肉店『みょうが屋』を訪ねます。
現在「イワナガ食堂」を営む岩永氏が30年以上もかけて作り上げた、宮崎が誇る最強の焼肉店でございます。現在は店を後進に譲っておりますが、素材へのこだわりとボリューム的な満足感、そして最強レベルのコスパはしっかり継承しております。和牛の品評会の常連でもある宮崎牛にこだわり、さらにその鮮度にこだわる。良いものを良い状態で出す、というシンプルなアプローチが高い評価に繋がっているのでしょう。
実際に味のレベルはすこぶる高い。そして、コースの価格はすこぶる安い。質にも量にも必ず満足することでしょう。
「大根と牛すじの塩煮込み」
「タン、ハラミ、ツラミ」
「カメノコ、ザブトン、ヒレ、サーロイン」
「カルビ三種」
「ハツ、センマイ、レバー、ホルモン」
焼肉店の野菜など付け合わせ程度の扱いになることも多いが、みょうが屋のものはしっかり美味い。辛味大根、紅はるか、子供ピーマン、原木椎茸、茄子、などなど。ちなみに、茗荷はない。宮崎県の小林市になる梶並農園で育てた無農薬のものだとか。これがとても甘いのだ。それにしても、宮崎は肉に魚に野菜にフルーツに本当にレベルが高いですね。
もう満腹で歩けないほどだが、締めの「ニンニク焼きめし」が胃袋のキャパを復活させます。贅沢に宮崎牛をふんだんに使い、たっぷりのニンニクがインパクトのあるアウトプットにつながります。隠し味には鰹節、これがまた食欲をそそる装置として機能しております。これは美味。
ここは茗荷のお店ではない。コスパ最強の焼肉店である。ご馳走様でした。
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