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Restaurants
- ミトミ えもん added a new meal Dinner at 是しん at Zeshin (是しん)
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【是しん】
大阪・西天満に店を構える『是しん』。2013年創業。店名は、是か非かを常に自らに問い、流行や評価に左右されず「是」と信じた料理を貫くという姿勢から名付けられている。その思想は料理だけでなく、地下に広がる静かな空間にも通底する。数寄屋を思わせる設えや、茶室のように外界の情報を削ぎ落とした佇まい。余計な装飾を排し、料理と向き合うための温度だけが、きちんと整えられた場だ。
大将の関根崇一氏は、料理旅館の家に生まれ育ち、調理師学校を経て神戸吉兆で11年修業。日本料理の基礎技術と構成力を、時間をかけて身体に染み込ませてきた料理人である。その積み重ねの延長線上に、ミシュラン一つ星という結果がある。出汁の取り方、火入れ、組み立て、その一つ一つが崩れずに積み重なっていく、確かな安定感が魅力だ。
「八寸」は、その店の料理観を端的に語る。菊菜、海鼠の酢の物、鮟肝の酢味噌和え、海老真丈、車海老とクリームチーズ、ローストビーフ、牡蠣の燻製など。味の方向性は明確で、酸味、旨味、コクが整理されている。八寸を単なる品数の集合体にせず、酒肴としての流れを持たせている点に、この店の構成力が表れている。
続く河豚料理。「てっさ」は、河豚の旨味をきっちりと引き出した仕立て。淡白になりがちな素材だが、噛み締めるほどに滋味が広がり、河豚らしさが静かに立ち上がる。「白子」は対照的に、滑らかで濃度のある味わい。温度と質感のコントラストがはっきりしており、素材の力をそのまま提示する。
「御椀」は花びら真薯。ふんわりと軽やかな真薯に、鰹の香りがふわっと立ち上がる澄んだ出汁が寄り添う。金箔が視覚的な印象を残すが、出汁の香りと余韻が、お椀全体の軸として活躍している。
戸井産の「鮪」は、蕪のおろしと酸味を効かせたジュレを添えた一皿。脂のある鮪を重たく見せず、温度と酸で軽やかに着地させている。素材の格に寄りかかるのではなく、料理として成立させる設計が感じられる。お造りは、熟成した「アオリイカ」、豊後水道の「平目」、舞鶴の「鰆」を焼霜。それぞれのネタに合わせて厚みと包丁を変え、アオリイカはねっとりとした甘みを、平目は清らかな旨味を、鰆は香ばしさと脂を際立たせる。
「伊勢海老」は野菜とにつめたスープで。甲殻類の旨味を前面に出しながらも、和の文脈から逸脱しない仕立てで、コースの流れに自然に溶け込ませている。焼物は「鰆」の味噌焼きに「白魚」のおかき揚げを添える。味噌の香ばしさと鰆の脂、白魚の軽やかな食感が心地よい対比を生み、日本料理としての王道的な安心感がある。
「ツキノワグマ」は、熊の脂が持つ甘みを丁寧に引き出した仕立て。白味噌のやわらかなニュアンスが寄り添い、重たさを感じさせず、旨味として静かにまとまっていく。素材の強さを誇示するのではなく、コースの流れの中に自然に溶け込ませている点が印象的だ。「食事」は、甘鯛と唐墨の炊き込みご飯。炊き上げた米に甘鯛のふくよかな旨味が溶け込み、そこに唐墨の塩気と香りを重ねるという組み合わせが実にユニークだ。
「水物」は、果実を閉じ込めたゼリー寄せ。瑞々しさで口の中を一度リセットし、次へと自然につなげる。「甘味」は雪餅。甘さを抑え、最後までトーンを崩さず、静かに食後の余韻を閉じていく。
『是しん』の料理を通して強く残るのは、最後まで崩れない安定感だ。出汁の精度、火入れの確かさ、組み立ての整合性。そのすべてが高い水準で揃い長年積み重ねてきた仕事が、そのまま料理として表に出ている。安心して任せられる日本料理店とは、こういう存在だと思わせてくれる一軒である。ご馳走様でした。
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【是しん】
大阪・西天満に店を構える『是しん』。2013年創業。店名は、是か非かを常に自らに問い、流行や評価に左右されず「是」と信じた料理を貫くという姿勢から名付けられている。その思想は料理だけでなく、地下に広がる静かな空間にも通底する。数寄屋を思わせる設えや、茶室のように外界の情報を削ぎ落とした佇まい。余計な装飾を排し、料理と向き合うための温度だけが、きちんと整えられた場だ。
大将の関根崇一氏は、料理旅館の家に生まれ育ち、調理師学校を経て神戸吉兆で11年修業。日本料理の基礎技術と構成力を、時間をかけて身体に染み込ませてきた料理人である。その積み重ねの延長線上に、ミシュラン一つ星という結果がある。出汁の取り方、火入れ、組み立て、その一つ一つが崩れずに積み重なっていく、確かな安定感が魅力だ。
「八寸」は、その店の料理観を端的に語る。菊菜、海鼠の酢の物、鮟肝の酢味噌和え、海老真丈、車海老とクリームチーズ、ローストビーフ、牡蠣の燻製など。味の方向性は明確で、酸味、旨味、コクが整理されている。八寸を単なる品数の集合体にせず、酒肴としての流れを持たせている点に、この店の構成力が表れている。
続く河豚料理。「てっさ」は、河豚の旨味をきっちりと引き出した仕立て。淡白になりがちな素材だが、噛み締めるほどに滋味が広がり、河豚らしさが静かに立ち上がる。「白子」は対照的に、滑らかで濃度のある味わい。温度と質感のコントラストがはっきりしており、素材の力をそのまま提示する。
「御椀」は花びら真薯。ふんわりと軽やかな真薯に、鰹の香りがふわっと立ち上がる澄んだ出汁が寄り添う。金箔が視覚的な印象を残すが、出汁の香りと余韻が、お椀全体の軸として活躍している。
戸井産の「鮪」は、蕪のおろしと酸味を効かせたジュレを添えた一皿。脂のある鮪を重たく見せず、温度と酸で軽やかに着地させている。素材の格に寄りかかるのではなく、料理として成立させる設計が感じられる。お造りは、熟成した「アオリイカ」、豊後水道の「平目」、舞鶴の「鰆」を焼霜。それぞれのネタに合わせて厚みと包丁を変え、アオリイカはねっとりとした甘みを、平目は清らかな旨味を、鰆は香ばしさと脂を際立たせる。
「伊勢海老」は野菜とにつめたスープで。甲殻類の旨味を前面に出しながらも、和の文脈から逸脱しない仕立てで、コースの流れに自然に溶け込ませている。焼物は「鰆」の味噌焼きに「白魚」のおかき揚げを添える。味噌の香ばしさと鰆の脂、白魚の軽やかな食感が心地よい対比を生み、日本料理としての王道的な安心感がある。
「ツキノワグマ」は、熊の脂が持つ甘みを丁寧に引き出した仕立て。白味噌のやわらかなニュアンスが寄り添い、重たさを感じさせず、旨味として静かにまとまっていく。素材の強さを誇示するのではなく、コースの流れの中に自然に溶け込ませている点が印象的だ。「食事」は、甘鯛と唐墨の炊き込みご飯。炊き上げた米に甘鯛のふくよかな旨味が溶け込み、そこに唐墨の塩気と香りを重ねるという組み合わせが実にユニークだ。
「水物」は、果実を閉じ込めたゼリー寄せ。瑞々しさで口の中を一度リセットし、次へと自然につなげる。「甘味」は雪餅。甘さを抑え、最後までトーンを崩さず、静かに食後の余韻を閉じていく。
『是しん』の料理を通して強く残るのは、最後まで崩れない安定感だ。出汁の精度、火入れの確かさ、組み立ての整合性。そのすべてが高い水準で揃い長年積み重ねてきた仕事が、そのまま料理として表に出ている。安心して任せられる日本料理店とは、こういう存在だと思わせてくれる一軒である。ご馳走様でした。
#是しん Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at 一富久 at Ichifuku
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【一富久】
西成のまち角、どこか懐かしさを感じさせる紫の暖簾が風に揺れる。看板には味のある文字、焼けた色合い、ひと目で好きになる。50年以上も続いていると聞けば、もうそれだけで胸がじんわりする。そんな空気の中の持ち主がたこ焼きの『一富久』だ。
お皿に並んだたこ焼きは、まるまるとしていて、まるでお団子のような素朴な可愛らしさ。焼き色は薄く、見た目からして優しい。ソースもマヨネーズもかかっていない。自分で、二杯酢をちょいとつけて、七味をぱらり。なんてことないように見えて、この組み合わせが驚くほど合う。外は軽く香ばしく、中はふわっととろけて、タコはしっかりとした食感。酢の酸味が全体を引き締め、七味のピリ辛がアクセントになる。気づけば手が止まらず、ひとつ、またひとつと食べてしまう。
そして「たこスープ」。焼いたたこ焼きを出汁に浮かべるという、ちょっと変わったスタイル。でもこれが、なんだかほっとする美味しさ。焼きの香ばしさが残るたこ焼きに、出汁がじんわり染み込んでいく。口に入れると、ふわりと出汁が広がって、ほんのりタコの旨み。添えられた紅生姜のさっぱり感がまたいい。湯気の向こうに見えるやさしい景色。静かな昼下がりが、いっそうあたたかくなる。
そして、もうひとつのあたたかさが、お店を切り盛りするおばちゃんの佇まい。声を張り上げることもなく、常連ともにぎやかに笑うわけでもないのに、どこか人を安心させる空気がある。焼き台の前に立つ姿は落ち着いていて、注文にも「はいよ」と穏やかに応じる。そのやりとりが、ふとした拍子に心に残る。大阪のおばちゃん、という言葉には元気で賑やかなイメージがつきまとうけれど、ここにはもう少し静かな優しさがある。よく通る声よりも、やわらかい気配が印象に残る。
豪華さはないけど、思わずまた来たくなる。『一富久』には、そんなたこ焼きがある。やさしい味、やさしい景色、そしてやさしい人。それだけで、またふらっと行きたくなる。ご馳走さまでした。
#一富久 #たこやき... More
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【一富久】
西成のまち角、どこか懐かしさを感じさせる紫の暖簾が風に揺れる。看板には味のある文字、焼けた色合い、ひと目で好きになる。50年以上も続いていると聞けば、もうそれだけで胸がじんわりする。そんな空気の中の持ち主がたこ焼きの『一富久』だ。
お皿に並んだたこ焼きは、まるまるとしていて、まるでお団子のような素朴な可愛らしさ。焼き色は薄く、見た目からして優しい。ソースもマヨネーズもかかっていない。自分で、二杯酢をちょいとつけて、七味をぱらり。なんてことないように見えて、この組み合わせが驚くほど合う。外は軽く香ばしく、中はふわっととろけて、タコはしっかりとした食感。酢の酸味が全体を引き締め、七味のピリ辛がアクセントになる。気づけば手が止まらず、ひとつ、またひとつと食べてしまう。
そして「たこスープ」。焼いたたこ焼きを出汁に浮かべるという、ちょっと変わったスタイル。でもこれが、なんだかほっとする美味しさ。焼きの香ばしさが残るたこ焼きに、出汁がじんわり染み込んでいく。口に入れると、ふわりと出汁が広がって、ほんのりタコの旨み。添えられた紅生姜のさっぱり感がまたいい。湯気の向こうに見えるやさしい景色。静かな昼下がりが、いっそうあたたかくなる。
そして、もうひとつのあたたかさが、お店を切り盛りするおばちゃんの佇まい。声を張り上げることもなく、常連ともにぎやかに笑うわけでもないのに、どこか人を安心させる空気がある。焼き台の前に立つ姿は落ち着いていて、注文にも「はいよ」と穏やかに応じる。そのやりとりが、ふとした拍子に心に残る。大阪のおばちゃん、という言葉には元気で賑やかなイメージがつきまとうけれど、ここにはもう少し静かな優しさがある。よく通る声よりも、やわらかい気配が印象に残る。
豪華さはないけど、思わずまた来たくなる。『一富久』には、そんなたこ焼きがある。やさしい味、やさしい景色、そしてやさしい人。それだけで、またふらっと行きたくなる。ご馳走さまでした。
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at ストリートパスタカンパニー at STREET PASTA COMPANY
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【ストリートパスタカンパニー】
代々木の路地裏、スケートボードとステッカーだらけのゴミ箱が目印の『ストリート パスタ カンパニー』。和風パスタを軸にしながらも、その見せ方や構成はまさにストリート。和でも洋でもない、ジャンルの枠を軽やかに越えるスタイルが印象的だ。ピザも豊富だが、やはり主役はパスタ。中でも異彩を放っていたのがオリジナルパスタの「スタミナ」。
ペペロンチーノをベースに、自家製ピリ辛ポークミンチ、納豆、卵黄を合わせた構成。ニンニクと唐辛子のパンチを軸に、納豆の粘りと発酵感、ポークミンチのジューシーさが重なる。そこに卵黄が全体をまろやかにまとめ、油の香りが最後にふわりと抜けていく。ジャンキーさと家庭的な安心感が同居した不思議な一皿。
『ストリート... More
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【ストリートパスタカンパニー】
代々木の路地裏、スケートボードとステッカーだらけのゴミ箱が目印の『ストリート パスタ カンパニー』。和風パスタを軸にしながらも、その見せ方や構成はまさにストリート。和でも洋でもない、ジャンルの枠を軽やかに越えるスタイルが印象的だ。ピザも豊富だが、やはり主役はパスタ。中でも異彩を放っていたのがオリジナルパスタの「スタミナ」。
ペペロンチーノをベースに、自家製ピリ辛ポークミンチ、納豆、卵黄を合わせた構成。ニンニクと唐辛子のパンチを軸に、納豆の粘りと発酵感、ポークミンチのジューシーさが重なる。そこに卵黄が全体をまろやかにまとめ、油の香りが最後にふわりと抜けていく。ジャンキーさと家庭的な安心感が同居した不思議な一皿。
『ストリート パスタ カンパニー』の「スタミナ」は、和素材を使いながらも、いわゆる“和風”に収まらない。その構成には、ストリートらしく、ルールや枠に縛られない自由な感覚がある。丁寧とか繊細とか、そういう言葉じゃない。もっと直感的で、もっと欲望に素直な一皿。真面目すぎず、ふざけすぎず、そのバランス感覚こそがこの店の持ち味なんだと思う。がっつり食べたい時に、思い出すパスタ。ご馳走様でした。代々木の路地裏、スケートボードとステッカーだらけのゴミ箱が目印の『ストリート パスタ カンパニー』。和風パスタを軸にしながらも、その見せ方や構成はまさにストリート。和でも洋でもない、ジャンルの枠を軽やかに越えるスタイルが印象的だ。ピザも豊富だが、やはり主役はパスタ。中でも異彩を放っていたのがオリジナルパスタの「スタミナ」。
ペペロンチーノをベースに、自家製ピリ辛ポークミンチ、納豆、卵黄を合わせた構成。ニンニクと唐辛子のパンチを軸に、納豆の粘りと発酵感、ポークミンチのジューシーさが重なる。そこに卵黄が全体をまろやかにまとめ、油の香りが最後にふわりと抜けていく。ジャンキーさと家庭的な安心感が同居した不思議な一皿。
『ストリート パスタ カンパニー』の「スタミナ」は、和素材を使いながらも、いわゆる“和風”に収まらない。その構成には、ストリートらしく、ルールや枠に縛られない自由な感覚がある。丁寧とか繊細とか、そういう言葉じゃない。もっと直感的で、もっと欲望に素直な一皿。真面目すぎず、ふざけすぎず、そのバランス感覚こそがこの店の持ち味なんだと思う。がっつり食べたい時に、思い出すパスタ。ご馳走様でした。
#ストリートパスタカンパニー #[instagram] Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at インド食堂チャラカラ at Indian Restaurant Charakara
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【インド食堂チャラカラ】
2015年創業。街道沿いにふっと現れる、強い色彩をまとった外観。ここが『インド食堂 チャラカラ』だ。扉を開けると、壁一面にインドモチーフの装飾が広がり、オレンジやグリーンを効かせたポップな色使いが印象に残る。いわゆる定型的なインド料理店とは少し違い、土着的に寄りすぎず、今の感覚に寄せたバランスがはっきりしている。
「カレープレートランチ」は、カレーを最大3種まで選べる構成。ライスにチャパティ、副菜を添えたワンプレートで、ベジやノンベジ、中辛や辛口など、それぞれに異なる役割を負わせているだ。
「チキンカレー」は、スパイスがしっかりと効いた一皿で、鶏の旨味と香りが正面から伝わってくる。きちんとスパイスを感じさせる設計だ。「エッグマサラ」は、ゆで卵がそのまま一個入る構成で、トマトを軸にしたソースが卵を受け止める。「チキンチリ」はこの日の中で最も辛さが前に出る一皿。直線的でストレートな辛味がはっきりと立ち、後引くタイプではなく、瞬間的に強さを感じさせる。副菜の野菜も味付けは明確で、カレーの合間に挟むことで口の流れが整う。
『インド食堂... More
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【インド食堂チャラカラ】
2015年創業。街道沿いにふっと現れる、強い色彩をまとった外観。ここが『インド食堂 チャラカラ』だ。扉を開けると、壁一面にインドモチーフの装飾が広がり、オレンジやグリーンを効かせたポップな色使いが印象に残る。いわゆる定型的なインド料理店とは少し違い、土着的に寄りすぎず、今の感覚に寄せたバランスがはっきりしている。
「カレープレートランチ」は、カレーを最大3種まで選べる構成。ライスにチャパティ、副菜を添えたワンプレートで、ベジやノンベジ、中辛や辛口など、それぞれに異なる役割を負わせているだ。
「チキンカレー」は、スパイスがしっかりと効いた一皿で、鶏の旨味と香りが正面から伝わってくる。きちんとスパイスを感じさせる設計だ。「エッグマサラ」は、ゆで卵がそのまま一個入る構成で、トマトを軸にしたソースが卵を受け止める。「チキンチリ」はこの日の中で最も辛さが前に出る一皿。直線的でストレートな辛味がはっきりと立ち、後引くタイプではなく、瞬間的に強さを感じさせる。副菜の野菜も味付けは明確で、カレーの合間に挟むことで口の流れが整う。
『インド食堂 チャラカラ』は、味の方向性をはっきり分けたカレーを、過不足のない構成でまとめてくる店。選べるカレー、それぞれ異なる辛さと輪郭、整ったプレート。安心して任せられる内容で、十分に満足できる。ご馳走様でした。
#インド食堂 #チャラカラ Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at バロンヌードル at Baron Noodle (バロンヌードル)
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【バロンヌードル】
横浜駅西口から少し歩いた岡野交差点の一角。雑居ビルの2階に、静かに看板を掲げる『バロンヌードル』。創業は、2022年。目印は「営魚中」の札。営業中のサインに魚を掛けた軽い洒落が、この店の空気感をよく表している。
四角い器で提供されるラーメンは、見た目からすでに定番の味噌ラーメンとは違う印象を与える。だが、この個性は器の形だけにとどまらない。スープは白味噌を主体に数種をブレンドし、そこに鯵の干物を使った魚介出汁を重ねたもの。味噌のまろやかな甘みの中に、魚介の香ばしさと独特の輪郭が混じり合い、どこかクセのある味わいがじんわりと広がる。重たくないが軽くもない。
麺は三河屋製麺の中太麺。もっちりとした食感がスープとよく馴染み、口に入れた時の収まりがいい。チャーシューは二種。それぞれの質感と味の差が一杯の中で自然な変化を生んでいる。紫キャベツともやしが加わることで、味噌ラーメン特有の重さにちょっとした抜けが生まれているのも印象的。
そして、用意された味変アイテム。七味でも魚粉でもなく、シナモンを思わせるようなスパイス風味。油やスープの熱で溶け出していく中で、後半の味に微かな異国感が現れる。これもまた個性。好みが分かれるところかもしれないが、仕掛けとしての面白さはある。
全体を通して、定番の枠に収まりきらない一杯だった。四角い器に始まり、白味噌と干物出汁の組み合わせ、シナモン風味のスパイスによる味変まで、すべてに明確な個性が宿る。いわゆる味噌ラーメンを期待して来ると面食らうかもしれないが、それも含めてこの店の面白さ。ご馳走様でした。... More
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【バロンヌードル】
横浜駅西口から少し歩いた岡野交差点の一角。雑居ビルの2階に、静かに看板を掲げる『バロンヌードル』。創業は、2022年。目印は「営魚中」の札。営業中のサインに魚を掛けた軽い洒落が、この店の空気感をよく表している。
四角い器で提供されるラーメンは、見た目からすでに定番の味噌ラーメンとは違う印象を与える。だが、この個性は器の形だけにとどまらない。スープは白味噌を主体に数種をブレンドし、そこに鯵の干物を使った魚介出汁を重ねたもの。味噌のまろやかな甘みの中に、魚介の香ばしさと独特の輪郭が混じり合い、どこかクセのある味わいがじんわりと広がる。重たくないが軽くもない。
麺は三河屋製麺の中太麺。もっちりとした食感がスープとよく馴染み、口に入れた時の収まりがいい。チャーシューは二種。それぞれの質感と味の差が一杯の中で自然な変化を生んでいる。紫キャベツともやしが加わることで、味噌ラーメン特有の重さにちょっとした抜けが生まれているのも印象的。
そして、用意された味変アイテム。七味でも魚粉でもなく、シナモンを思わせるようなスパイス風味。油やスープの熱で溶け出していく中で、後半の味に微かな異国感が現れる。これもまた個性。好みが分かれるところかもしれないが、仕掛けとしての面白さはある。
全体を通して、定番の枠に収まりきらない一杯だった。四角い器に始まり、白味噌と干物出汁の組み合わせ、シナモン風味のスパイスによる味変まで、すべてに明確な個性が宿る。いわゆる味噌ラーメンを期待して来ると面食らうかもしれないが、それも含めてこの店の面白さ。ご馳走様でした。 Less
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Spice Bar モンカリー
エリックサウス、アジャンタ、アチャカナといった名店で南インド料理とスパイスの基礎を積み上げ、2022年に独立。永田紋子氏の歩みは、そのまま『Spice Bar モンカリー』の輪郭を形作っている。店名の“モン”は、永田紋子氏自身の名前に由来するもの。これまでの経験を落とし込んだカレー、そんなスタンスがこの名前から自然と伝わってくる。路地裏の一角にありながら、開店前から人が集まるのは、このスタンスが単純に支持され、しっかり人気を得ている証拠だ。
席に着いて最初に出てくるのが、スパイスの白湯のような一杯。これがあるだけで、この店の姿勢が伝わってくる。まずは身体を整えるところから始める、という提案。香りは穏やかで、飲み口はすっと軽い。それでも、この一杯を挟むことで、その後に続くカレーの味がきれいに入ってくる。こだわりと配慮の積み重ねから、この店のポテンシャルの高さが自然と伝わってくる。
メニューは「モンカリープレート」を軸に、「ポーク」「チキン」「ベジ」という三種のカレーが並ぶ構成で、ミニカレーという形で全種類を組み合わせることができる。プレートにはライス、副菜、アチャール、ヨーグルトが付き、追加で「玉子のアチャール」と「ラッサムスープ」という選択肢が用意されている。半熟玉子をスパイスオイルに漬けたアチャールは、単体でも成立するレベルだし、ラッサムスープは酸味とスパイスで口内を整える役割を担う。注文は、もちろん全部だ。
カレーは「ポーク」「チキン」「ベジ」の三種。それぞれ方向性がはっきりしていて、役割が被らない。「ポーク」は岩中豚の肩ロースを使い、ビネガー由来の酸味を効かせた仕立て。豚の旨味と甘みをしっかり受け止めつつ、後味は軽い。添えられた生姜との相性もよく、全体の輪郭を一段引き締める。「チキン」はココナッツの甘みとコクを土台に、爽快な辛さが立ち上がる構成。「ベジ」はダルを主体に、豆と野菜の自然な甘さを前面に出した一皿。クミンが味の輪郭を与え、全体をまとめる静かな要として機能する。
酸味、辛味、甘味の置き方、カレー同士の役割分担、食べ進めたときの流れ。その一つ一つに、積み重ねてきた経験が反映されていることは感じられる。レベルの高さは皿の上にきちんと表れているし、そこに細かなこだわりと無理のない居心地の良さが重なる。結果として、人が集まり、行列が生まれているのだ。ご馳走様です。
#SpiceBarモンカリー... More
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Spice Bar モンカリー
エリックサウス、アジャンタ、アチャカナといった名店で南インド料理とスパイスの基礎を積み上げ、2022年に独立。永田紋子氏の歩みは、そのまま『Spice Bar モンカリー』の輪郭を形作っている。店名の“モン”は、永田紋子氏自身の名前に由来するもの。これまでの経験を落とし込んだカレー、そんなスタンスがこの名前から自然と伝わってくる。路地裏の一角にありながら、開店前から人が集まるのは、このスタンスが単純に支持され、しっかり人気を得ている証拠だ。
席に着いて最初に出てくるのが、スパイスの白湯のような一杯。これがあるだけで、この店の姿勢が伝わってくる。まずは身体を整えるところから始める、という提案。香りは穏やかで、飲み口はすっと軽い。それでも、この一杯を挟むことで、その後に続くカレーの味がきれいに入ってくる。こだわりと配慮の積み重ねから、この店のポテンシャルの高さが自然と伝わってくる。
メニューは「モンカリープレート」を軸に、「ポーク」「チキン」「ベジ」という三種のカレーが並ぶ構成で、ミニカレーという形で全種類を組み合わせることができる。プレートにはライス、副菜、アチャール、ヨーグルトが付き、追加で「玉子のアチャール」と「ラッサムスープ」という選択肢が用意されている。半熟玉子をスパイスオイルに漬けたアチャールは、単体でも成立するレベルだし、ラッサムスープは酸味とスパイスで口内を整える役割を担う。注文は、もちろん全部だ。
カレーは「ポーク」「チキン」「ベジ」の三種。それぞれ方向性がはっきりしていて、役割が被らない。「ポーク」は岩中豚の肩ロースを使い、ビネガー由来の酸味を効かせた仕立て。豚の旨味と甘みをしっかり受け止めつつ、後味は軽い。添えられた生姜との相性もよく、全体の輪郭を一段引き締める。「チキン」はココナッツの甘みとコクを土台に、爽快な辛さが立ち上がる構成。「ベジ」はダルを主体に、豆と野菜の自然な甘さを前面に出した一皿。クミンが味の輪郭を与え、全体をまとめる静かな要として機能する。
酸味、辛味、甘味の置き方、カレー同士の役割分担、食べ進めたときの流れ。その一つ一つに、積み重ねてきた経験が反映されていることは感じられる。レベルの高さは皿の上にきちんと表れているし、そこに細かなこだわりと無理のない居心地の良さが重なる。結果として、人が集まり、行列が生まれているのだ。ご馳走様です。
#SpiceBarモンカリー Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at 洋カツ屋ドン・デ・ラ・ナチュレ at Don de la Nature
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【洋カツ屋ドン・デ・ラ・ナチュレ】
恵比寿の住宅街に2025年7月オープンした『ドン・デ・ラ・ナチュレ』。店内はピンクがかった柔らかなトーンでまとめられ、オープンキッチンを中心に明るく清潔感のある空間が広がる。カウンター席のみの構成で、料理人の所作がよく見える距離感も心地いい。厨房に立つのは若いシェフたち。ビストロやイタリアンのような雰囲気があり、いわゆる洋食店とは少し違った空気が漂う。
メニューは洋食の定番である、ポークカツや蟹クリームコロッケなどが並ぶ。季節限定でカキフライなども加わるようだ。すべてにサラダ・スープ・ライス付き。素材には幻水豚や本ずわい蟹など、名前のある食材を使用しており、定番ながらも内容に厚みがある。この日のスープは「有機かぼちゃのポタージュ」。野菜の甘みが素直に引き出されており、口当たりも滑らか。最初の一口で料理全体への信頼が生まれる。
看板の「幻水豚のポークジンジャー」は、厚切りロースに香ばしい焼き目をつけ、生姜ダレをたっぷりまとわせた一皿。タレは甘さよりも力強さが前に出ていて、生姜の辛味と醤油のコクがぐっと舌を掴む。そこに玉ねぎの甘みが重なり、パンチがありつつも立体的な味わいに仕上がっている。特徴的なのは、その強いタレのあとに、しっかりと肉の旨味が広がってくること。その事実が、幻水豚という素材のポテンシャルをはっきりと証明している。脂ものりつつ、重たさはなく、火入れも的確。キャベツやスプラウトが味を整え、レモンの酸味で輪郭が締まる。ご飯が足りなくなるのは時間の問題だった。
料理の完成度もさることながら、空間の空気感、料理人の立ち姿、素材への目配りに至るまで、すべてに芯がある。いわゆる昔ながらの洋食とは一線を画す構成で、店の佇まいも料理も洗練されている。まだオープンから日が浅いが、これから間違いなく支持を集めていくだろう。ご馳走さまでした。
#洋カツ屋 #恵比寿... More
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【洋カツ屋ドン・デ・ラ・ナチュレ】
恵比寿の住宅街に2025年7月オープンした『ドン・デ・ラ・ナチュレ』。店内はピンクがかった柔らかなトーンでまとめられ、オープンキッチンを中心に明るく清潔感のある空間が広がる。カウンター席のみの構成で、料理人の所作がよく見える距離感も心地いい。厨房に立つのは若いシェフたち。ビストロやイタリアンのような雰囲気があり、いわゆる洋食店とは少し違った空気が漂う。
メニューは洋食の定番である、ポークカツや蟹クリームコロッケなどが並ぶ。季節限定でカキフライなども加わるようだ。すべてにサラダ・スープ・ライス付き。素材には幻水豚や本ずわい蟹など、名前のある食材を使用しており、定番ながらも内容に厚みがある。この日のスープは「有機かぼちゃのポタージュ」。野菜の甘みが素直に引き出されており、口当たりも滑らか。最初の一口で料理全体への信頼が生まれる。
看板の「幻水豚のポークジンジャー」は、厚切りロースに香ばしい焼き目をつけ、生姜ダレをたっぷりまとわせた一皿。タレは甘さよりも力強さが前に出ていて、生姜の辛味と醤油のコクがぐっと舌を掴む。そこに玉ねぎの甘みが重なり、パンチがありつつも立体的な味わいに仕上がっている。特徴的なのは、その強いタレのあとに、しっかりと肉の旨味が広がってくること。その事実が、幻水豚という素材のポテンシャルをはっきりと証明している。脂ものりつつ、重たさはなく、火入れも的確。キャベツやスプラウトが味を整え、レモンの酸味で輪郭が締まる。ご飯が足りなくなるのは時間の問題だった。
料理の完成度もさることながら、空間の空気感、料理人の立ち姿、素材への目配りに至るまで、すべてに芯がある。いわゆる昔ながらの洋食とは一線を画す構成で、店の佇まいも料理も洗練されている。まだオープンから日が浅いが、これから間違いなく支持を集めていくだろう。ご馳走さまでした。
#洋カツ屋 #恵比寿 Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at レストラン ナズ at Restaurant Naz (レストラン ナズ)
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【レストラン ナズ】
軽井沢の深く静かな空気に包まれる『レストラン ナズ』。地元・軽井沢内での移転を経て、料理・空間・体験のすべてがひとつ上のフェーズへと昇華された印象。建築士である奥様とともに設計された新たな空間は、料理の世界観と歩調を合わせるように、静かで凛とした佇まいを見せる。そこに立ち上がるのは、テロワールの記憶を料理に写し取るという意思。風土、季節、時間。目に見えないそれらを、五感で捉え直す場だ。
その思想の象徴とも言えるのが、信州サーモンを主軸に据えた二皿のスペシャリテだ。ひとつは、3年半かけて育てられたサーモンをドライエイジングでさらに凝縮し、発酵蕪とトマトのソースを重ねた構成。香り、酸、旨味が滑らかに折り重なり、時間の蓄積をひと口の中で感じさせる。対となるのは、3年熟成の奈良漬を添えたシンプルな一皿。構成は極限まで抑えられているが、サーモンの脂と奈良漬の酸が香りとして響き合い、余韻には静かな深みが残る。ひとつは構築、もうひとつは削ぎ落とし。異なる手法で、同じ素材の輪郭を浮かび上がらせていた。
冒頭に登場する一皿にして、すでにこのコースの語り口が明確に現れていた。中心にあるのは「里芋」。高温のフリットではなく、じっくりと低温で揚げ、ねっとりとした質感と芯に残る水分を巧みにコントロールしている。そこに巻かれるのは、1年間白カビで熟成させた峰村牛の生ハム。脂の甘みと熟成香が芋の滋味と静かに重なり、香りの中心には黒胡椒が淡く漂う。過不足のない構成が、すでに『ナズ』らしさを物語る。合わせるペアリングは、苺をトマトウォーターのように抽出した液体。甘さを削ぎ落とし、高麗人参や根菜のようなニュアンスを滲ませている。口の中に残る土のような余韻が、芋と... More
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【レストラン ナズ】
軽井沢の深く静かな空気に包まれる『レストラン ナズ』。地元・軽井沢内での移転を経て、料理・空間・体験のすべてがひとつ上のフェーズへと昇華された印象。建築士である奥様とともに設計された新たな空間は、料理の世界観と歩調を合わせるように、静かで凛とした佇まいを見せる。そこに立ち上がるのは、テロワールの記憶を料理に写し取るという意思。風土、季節、時間。目に見えないそれらを、五感で捉え直す場だ。
その思想の象徴とも言えるのが、信州サーモンを主軸に据えた二皿のスペシャリテだ。ひとつは、3年半かけて育てられたサーモンをドライエイジングでさらに凝縮し、発酵蕪とトマトのソースを重ねた構成。香り、酸、旨味が滑らかに折り重なり、時間の蓄積をひと口の中で感じさせる。対となるのは、3年熟成の奈良漬を添えたシンプルな一皿。構成は極限まで抑えられているが、サーモンの脂と奈良漬の酸が香りとして響き合い、余韻には静かな深みが残る。ひとつは構築、もうひとつは削ぎ落とし。異なる手法で、同じ素材の輪郭を浮かび上がらせていた。
冒頭に登場する一皿にして、すでにこのコースの語り口が明確に現れていた。中心にあるのは「里芋」。高温のフリットではなく、じっくりと低温で揚げ、ねっとりとした質感と芯に残る水分を巧みにコントロールしている。そこに巻かれるのは、1年間白カビで熟成させた峰村牛の生ハム。脂の甘みと熟成香が芋の滋味と静かに重なり、香りの中心には黒胡椒が淡く漂う。過不足のない構成が、すでに『ナズ』らしさを物語る。合わせるペアリングは、苺をトマトウォーターのように抽出した液体。甘さを削ぎ落とし、高麗人参や根菜のようなニュアンスを滲ませている。口の中に残る土のような余韻が、芋と Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at ささくら at Sasakura
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【ささくら】
長野の山あいに店を構える『ささくら』は、2001年創業。20年以上この地で暖簾を守り続けてきた時間が、そのまま店の佇まいと味に刻み込まれている。信州そばという文化を土台にしながら、随所にこの店ならではの工夫と遊び心が見え、待ちが発生するのも納得の完成度を誇る。
使うのは長野県産のそば粉。自家製粉を掲げ、そばの香りと甘みを最大限に引き出す一方で、食べ方や組み立てには明確な意志がある。伝統をなぞるだけではなく、どう食べると一番おいしいかを考え抜いた結果が、メニュー全体に反映されている。
まず「おしぼり蕎麦」。辛味大根を搾り、その汁をつゆとして使うのは、信州の寒冷地で育まれてきた素朴なそば文化のひとつで、そこに味噌を溶くのもごく自然な流れだ。信州でも個性の強い食べ方だが、ここでは刺激が前に出すぎない。口に含むと大根の辛味がキレよく立ち上がり、すぐに味噌のコクが追いかけ、最後にそばの甘みが静かに残る。
続く「そば三味」は、この店の懐の深さを示す構成。自家製クルミだれは、山国・信州らしい保存食文化の延長線にあり、香ばしさとほのかな甘みがそばの風味を押し広げる。クルミが“変化球”ではなく、土地の味として自然に溶け込んでいるのがいい。とろろは粘度が強すぎず、そばを包み込むような役回り。そして何より、そばつゆが抜群にうまい。出汁の輪郭が明瞭で、そばの香りを前に押し出す力がある。ベースが強いからこそ、三つの味がそれぞれ個性を保ったまま成立している。
一品料理の「蕎麦の実のコロッケ」も抜かりがない。そば粉ではなく蕎麦の実を使うことで、ほくっとした食感の中にプチっとした歯触りが残り、そばという食材の別の表情を引き出している。信州では蕎麦の実は日常的に使われて�... More
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【ささくら】
長野の山あいに店を構える『ささくら』は、2001年創業。20年以上この地で暖簾を守り続けてきた時間が、そのまま店の佇まいと味に刻み込まれている。信州そばという文化を土台にしながら、随所にこの店ならではの工夫と遊び心が見え、待ちが発生するのも納得の完成度を誇る。
使うのは長野県産のそば粉。自家製粉を掲げ、そばの香りと甘みを最大限に引き出す一方で、食べ方や組み立てには明確な意志がある。伝統をなぞるだけではなく、どう食べると一番おいしいかを考え抜いた結果が、メニュー全体に反映されている。
まず「おしぼり蕎麦」。辛味大根を搾り、その汁をつゆとして使うのは、信州の寒冷地で育まれてきた素朴なそば文化のひとつで、そこに味噌を溶くのもごく自然な流れだ。信州でも個性の強い食べ方だが、ここでは刺激が前に出すぎない。口に含むと大根の辛味がキレよく立ち上がり、すぐに味噌のコクが追いかけ、最後にそばの甘みが静かに残る。
続く「そば三味」は、この店の懐の深さを示す構成。自家製クルミだれは、山国・信州らしい保存食文化の延長線にあり、香ばしさとほのかな甘みがそばの風味を押し広げる。クルミが“変化球”ではなく、土地の味として自然に溶け込んでいるのがいい。とろろは粘度が強すぎず、そばを包み込むような役回り。そして何より、そばつゆが抜群にうまい。出汁の輪郭が明瞭で、そばの香りを前に押し出す力がある。ベースが強いからこそ、三つの味がそれぞれ個性を保ったまま成立している。
一品料理の「蕎麦の実のコロッケ」も抜かりがない。そば粉ではなく蕎麦の実を使うことで、ほくっとした食感の中にプチっとした歯触りが残り、そばという食材の別の表情を引き出している。信州では蕎麦の実は日常的に使われて� Less
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- ミトミ えもん added a new meal Dinner at 鮨 尚充 at Sushi Takamitsu (鮨 尚充)
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【鮨 尚充】
中目黒に店を構える『鮨 尚充』。この店を語るなら、まず雲丹から始めなければならない。ここでの雲丹は、数あるネタの一つではなく、店の思想そのものだ。雲丹をどう仕入れ、どう並べ、どう体験させるか。その設計が、この店の輪郭を決定づけている。2025年の初競りで700万円という価格を記録した「はだての雲丹」は、その象徴的な存在。話題性が先行しがちだが、実際に口にすれば評価軸は一瞬で切り替わる。粒の張り、舌に触れた瞬間の密度、甘味の立ち上がりと引き際。そのすべてが明確で、数字が誇張ではなかったことを体が理解してしまう。
だが尚充の凄みは、一つの頂点を見せて終わりではない。木村水産の雲丹は、養殖という言葉のイメージを完全に裏切る完成度で、輪郭のある旨味と安定した質感を示す。希海の雲丹は香りの立ち方が印象的で、小西商店の雲丹は余韻の伸びが美しい。塩水雲丹は加工を極力排したからこそ、海そのものの表情が前に出る。甘い、濃厚、クリーミー。そうした単語では整理しきれない差異を、量と種類の両面から体に刻み込んでくる。良質な雲丹を、これほどの密度で食べ比べる経験は、正直ここ以外では成立しない。
だが当然ながら、提供されるのは雲丹だけではない。印象が雲丹に強く残るだけで、他のネタも同じ密度で組み立てられている。「マツカワガレイ」は張りのある身質で鮮度と仕事量を伝え、「牡蠣」は厚みのある旨味で押し切る構成。「しじみ汁」は派手さこそないが、コース全体の輪郭を静かに整える。「背トロ」は脂の質感が明確で、「墨烏賊」は食感と甘味の輪郭がはっきりしている。「鮑」は火入れと歯応えのバランスが良く、「マナガツオ」は身の柔らかさと香りの立ち方が印象に残る。「中トロ」は役割が分かりやすく、「唐墨餅」は塩気と餅の一体感がストレートに響く。「大トロ」と「赤身」は明確なコントラストを描き、「クエの酒蒸し」は滋味深い。「トロたくキャビア」は背徳感を残しつつ重たくならず、「トラフグ白子」は素材の濃度と旨味の押し出しが素直に伝わる。「うなきゅう」の余韻まで含め、ネタは多いが散らからない。一つひとつが、雲丹と並べても引けを取らない強度を持っている。
『鮨... More
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【鮨 尚充】
中目黒に店を構える『鮨 尚充』。この店を語るなら、まず雲丹から始めなければならない。ここでの雲丹は、数あるネタの一つではなく、店の思想そのものだ。雲丹をどう仕入れ、どう並べ、どう体験させるか。その設計が、この店の輪郭を決定づけている。2025年の初競りで700万円という価格を記録した「はだての雲丹」は、その象徴的な存在。話題性が先行しがちだが、実際に口にすれば評価軸は一瞬で切り替わる。粒の張り、舌に触れた瞬間の密度、甘味の立ち上がりと引き際。そのすべてが明確で、数字が誇張ではなかったことを体が理解してしまう。
だが尚充の凄みは、一つの頂点を見せて終わりではない。木村水産の雲丹は、養殖という言葉のイメージを完全に裏切る完成度で、輪郭のある旨味と安定した質感を示す。希海の雲丹は香りの立ち方が印象的で、小西商店の雲丹は余韻の伸びが美しい。塩水雲丹は加工を極力排したからこそ、海そのものの表情が前に出る。甘い、濃厚、クリーミー。そうした単語では整理しきれない差異を、量と種類の両面から体に刻み込んでくる。良質な雲丹を、これほどの密度で食べ比べる経験は、正直ここ以外では成立しない。
だが当然ながら、提供されるのは雲丹だけではない。印象が雲丹に強く残るだけで、他のネタも同じ密度で組み立てられている。「マツカワガレイ」は張りのある身質で鮮度と仕事量を伝え、「牡蠣」は厚みのある旨味で押し切る構成。「しじみ汁」は派手さこそないが、コース全体の輪郭を静かに整える。「背トロ」は脂の質感が明確で、「墨烏賊」は食感と甘味の輪郭がはっきりしている。「鮑」は火入れと歯応えのバランスが良く、「マナガツオ」は身の柔らかさと香りの立ち方が印象に残る。「中トロ」は役割が分かりやすく、「唐墨餅」は塩気と餅の一体感がストレートに響く。「大トロ」と「赤身」は明確なコントラストを描き、「クエの酒蒸し」は滋味深い。「トロたくキャビア」は背徳感を残しつつ重たくならず、「トラフグ白子」は素材の濃度と旨味の押し出しが素直に伝わる。「うなきゅう」の余韻まで含め、ネタは多いが散らからない。一つひとつが、雲丹と並べても引けを取らない強度を持っている。
『鮨 尚充』は、雲丹を主軸に据えながらも、そこに依存しない構造を持つ。雲丹で印象を決定づけ、その他のネタで鮨屋としての地力を示す。その設計が一貫しているから、体験としての説得力が生まれる。結果的に記憶に残る店になっている。また中目黒に足を運ぶ理由は、十分だ。ご馳走様でした。
#鮨尚充 #鮨 Less
