Foodle Reviews
.
【矢場味仙東京】
東京・神田に名古屋の熱狂をそのまま持ち込んだ『矢場味仙 東京』。1960年代に台湾出身の郭明優氏が名古屋で創業した「味仙」をルーツに持ち、五兄弟それぞれが暖簾を掲げることで知られる一大ブランド。その中でも矢場町系譜の流れを汲む一軒が東京に進出。店内は赤と黄色のビビッドな世界観、壁に踊るロゴ、大声が飛び交う活気。整然としたレストランというより、戦場のような熱量。遠慮なく、容赦なく、旨くて辛いものを出す。それだけだ。
料理は豪快に見えて、実はスパイス設計が緻密。「手羽先」は名古屋的甘辛とは別路線、唐辛子と胡椒の刺激が前面に出る直球型。齧った瞬間に舌を刺す辛味、次いで鶏脂のコク、最後にじわりと花椒のニュアンスが追いかける。結構辛い。でも止まらない。
名物の1つである「小袋」はコリコリとした食感に、辣油とニンニクのパンチ。内臓の旨味をストレートに叩きつける構成で、ビール泥棒の異名を与えたい完成度。「酢豚」は黒酢の酸味よりも醤油ベースの甘辛が主体で、揚げた豚の衣がタレを吸い込む設計。シャキッとした玉ねぎがアクセントになり、重たさを回避するバランス感覚が光る。
箸休めに見えて侮れないのが「青菜炒め」。強火で一気に仕上げた青菜は、鶏ガラスープの旨味をまとい、ニンニクが下支え。油通しの温度管理が的確で、茎は瑞々しく、葉はしっとり。シンプルだが技術が透けて見える一皿。
「海老マヨ」は一転して甘艶路線……と見せかけて、しっかり辛い。ぷりっと揚がった海老に濃厚マヨソース、その奥に唐辛子の刺激がきちんと潜んでいる。最初に感じるのはクリーミーな甘さ、しかし後追いでじわっと辛味が立ち上がる二段構え。「麻婆茄子」は挽肉の旨味と豆板醤の辛味がねっとり絡み、茄子は油を吸ってとろける。
そして個人的ヒットが「アサリ炒め」。殻ごと豪快に盛られたアサリは、唐辛子とニンニクをまとった醤油ベースのスープをたっぷり抱え込む。ひと口すすれば、まず貝のエキスがぶわっと広がり、その直後にピリリと辛味が追いかける。この旨味の厚みと辛味の追撃こそ味仙の真骨頂。
名物の「台湾ラーメン」は、この店の象徴。着丼と同時に立ち上る唐辛子の赤い海。挽肉、ニラ、ニンニクがどっさり。スープをひと口、まずは醤油ベースの旨味、すぐに唐辛子の鋭い辛味が喉を焼く。しかしベースの味わいが厚く、ただ辛いだけで終わらない。中細麺がスープを絡め取り、汗が噴き出す頃にはレンゲが止まらない。これは料理というより体験だ。
そして「ニンニク炒飯」。パラリと解ける米粒、玉子のコク、ラードの香ばしさ。
五兄弟で広げた味仙ブランドは、それぞれに個性がありつつも、共通するのは攻撃的な味の設計思想。台湾料理を名古屋流に再構築し、辛さをアイコンにまで昇華させた郭家の功績は大きい。そのDNAが東京でもきちんと再現されている。汗をかき、ビールを流し込み、皿を囲む。上品さや静謐とは無縁。でも、この雑多な高揚感こそが価値だ。完成度は高く、基礎がしっかりしているからこそ、この辛さが成立する。東京で名古屋の夜を疑似体験するなら、ここは有力な選択肢になるだろう。ご馳走様でした。... More
.
【矢場味仙東京】
東京・神田に名古屋の熱狂をそのまま持ち込んだ『矢場味仙 東京』。1960年代に台湾出身の郭明優氏が名古屋で創業した「味仙」をルーツに持ち、五兄弟それぞれが暖簾を掲げることで知られる一大ブランド。その中でも矢場町系譜の流れを汲む一軒が東京に進出。店内は赤と黄色のビビッドな世界観、壁に踊るロゴ、大声が飛び交う活気。整然としたレストランというより、戦場のような熱量。遠慮なく、容赦なく、旨くて辛いものを出す。それだけだ。
料理は豪快に見えて、実はスパイス設計が緻密。「手羽先」は名古屋的甘辛とは別路線、唐辛子と胡椒の刺激が前面に出る直球型。齧った瞬間に舌を刺す辛味、次いで鶏脂のコク、最後にじわりと花椒のニュアンスが追いかける。結構辛い。でも止まらない。
名物の1つである「小袋」はコリコリとした食感に、辣油とニンニクのパンチ。内臓の旨味をストレートに叩きつける構成で、ビール泥棒の異名を与えたい完成度。「酢豚」は黒酢の酸味よりも醤油ベースの甘辛が主体で、揚げた豚の衣がタレを吸い込む設計。シャキッとした玉ねぎがアクセントになり、重たさを回避するバランス感覚が光る。
箸休めに見えて侮れないのが「青菜炒め」。強火で一気に仕上げた青菜は、鶏ガラスープの旨味をまとい、ニンニクが下支え。油通しの温度管理が的確で、茎は瑞々しく、葉はしっとり。シンプルだが技術が透けて見える一皿。
「海老マヨ」は一転して甘艶路線……と見せかけて、しっかり辛い。ぷりっと揚がった海老に濃厚マヨソース、その奥に唐辛子の刺激がきちんと潜んでいる。最初に感じるのはクリーミーな甘さ、しかし後追いでじわっと辛味が立ち上がる二段構え。「麻婆茄子」は挽肉の旨味と豆板醤の辛味がねっとり絡み、茄子は油を吸ってとろける。
そして個人的ヒットが「アサリ炒め」。殻ごと豪快に盛られたアサリは、唐辛子とニンニクをまとった醤油ベースのスープをたっぷり抱え込む。ひと口すすれば、まず貝のエキスがぶわっと広がり、その直後にピリリと辛味が追いかける。この旨味の厚みと辛味の追撃こそ味仙の真骨頂。
名物の「台湾ラーメン」は、この店の象徴。着丼と同時に立ち上る唐辛子の赤い海。挽肉、ニラ、ニンニクがどっさり。スープをひと口、まずは醤油ベースの旨味、すぐに唐辛子の鋭い辛味が喉を焼く。しかしベースの味わいが厚く、ただ辛いだけで終わらない。中細麺がスープを絡め取り、汗が噴き出す頃にはレンゲが止まらない。これは料理というより体験だ。
そして「ニンニク炒飯」。パラリと解ける米粒、玉子のコク、ラードの香ばしさ。
五兄弟で広げた味仙ブランドは、それぞれに個性がありつつも、共通するのは攻撃的な味の設計思想。台湾料理を名古屋流に再構築し、辛さをアイコンにまで昇華させた郭家の功績は大きい。そのDNAが東京でもきちんと再現されている。汗をかき、ビールを流し込み、皿を囲む。上品さや静謐とは無縁。でも、この雑多な高揚感こそが価値だ。完成度は高く、基礎がしっかりしているからこそ、この辛さが成立する。東京で名古屋の夜を疑似体験するなら、ここは有力な選択肢になるだろう。ご馳走様でした。 Less
Recommended in Tokyo
-
- LATURE (ラチュレ)
- Japan, 〒150-0002 東京都渋谷区Shibuya, 2 Chome−2, 渋谷2-2-2青山ルカビルB1
-
mgOAD Top 113Tabelog BronzeRR #3080RR PRO #16.00RR USER #0.00
-
162 Meals
-
- Yakiniku Seiryuuen (焼肉 静龍苑)
- T・Cs Bld., 2-chōme-14-11 Tokiwa, Koto City, Tōkyō-to 135-0006, Japan
-
OAD Top 260Tabelog Bronze
-
146 Meals
-
- HATSUNEZUSHI (初音鮨)
- 5-chōme-20-2 Nishikamata, Ota City, Tokyo 144-0051, Japan
-
OAD Top 187Tabelog BronzeRR #3038RR PRO #16.00RR USER #17.25
-
97 Meals
-
- Chinese Hanten Fureika (中国飯店 富麗華)
- 3-chōme-7-5 Higashiazabu, Minato City, Tokyo 106-0044, Japan
-
GM SelectedOAD Top 367Tabelog SilverRR #2701RR PRO #16.33RR USER #0.00
-
95 Meals
-
- Sushi Saitou (鮨 さいとう)
- Japan, 〒106-0032 Tokyo, Minato City, Roppongi, 1-chōme−4−5 アークヒルズ サウスタワー 1F
-
OAD Top 3Tabelog GoldWB50 Asia 2025 #33RR #44RR PRO #19.67RR USER #18.00Eatinerary's
-
137 Meals
Address
1-chōme-17-7 Dōgenzaka, Shibuya, Tokyo 150-0043, Japan
Hours
Tuesday: 11:00 - 15:00; 17:00 - 23:00
Wednesday: 11:00 - 15:00; 17:00 - 23:00
Thursday: 11:00 - 15:00; 17:00 - 23:00
Friday: 11:00 - 15:00; 17:00 - 23:00
Saturday: 11:00 - 15:00; 17:00 - 23:00
Sunday: 11:00 - 15:00; 17:00 - 23:00
Price Range
Based on country average
$$ (¥1,000–2,000)
