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【一番飯店】

手塚治虫が愛した、特製上海焼きそば。

高田馬場──学生の街、サブカルの街、そして鉄腕アトムが生まれた街。

そんな高田馬場に、1952年創業という老舗の中華料理店『一番飯店』がある。手塚治虫が通った店としても知られ、今なお地元に根ざして愛され続けている。印象的な黄色い看板に、レトロな店構え。新しいものが次々に生まれては消えていく街で、変わらないものがそこにあるというだけで、なんだか嬉しくなる。

今回のお目当ては、手塚治虫ゆかりの「特製上海焼きそば」。

元は、常連だった手塚氏の「八宝菜のように好きな具材を乗せてほしい」というリクエストから生まれた裏メニュー。のちに手塚プロダクションの提案で正式メニュー化され、今や一番飯店を代表する人気メニューになったというエピソード付きだ。

その姿は、まるで八宝菜のようなビジュアル。そばが見えないほど豪快に盛られた具材たち──鶏肉、エビ、イカ、アサリ、チンゲン菜、椎茸、キクラゲ、。肉、魚介、野菜、木の子と、具材のレイヤーも贅沢だ。麺の存在を探し当てる楽しみもあるくらい。麺自体はやや太め、柔らかさの中に香ばしい焼き目があり、ここにもひと仕事を感じる。

味付けはオイスターソースを中心とした濃厚なもの。具材それぞれの甘みや旨みを、香ばしい麺と濃密に絡め取っていく。コーティングされた餡が、もはや米を呼ぶ、呼ぶ。思わずライスも頼みたくなるような、濃密な焼きそばだった。

鉄腕アトムの街で、手塚治虫が愛した味をたどる──そんなロマンに浸るのも、また高田馬場の醍醐味。変わりゆく街にあって、こうした老舗が変わらずに残ること自体が、宝物のように思えた。ご馳走様です。

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