【寒冬の広東料理の宝 】🐍
24時間の台北出張。冬の夜風が鋭く、身体の芯まで冷える。そんな夜に出合った一杯の蛇スープが、心まで温めてくれた。
青いアルコールの炎が揺れ、陳皮の香りが立つ。薄く引かれたとろみは滑らかで、口に含むとすっとほどけ、静かな甘みが広がる。
蛇肉は髪の毛のように細く裂かれ、花膠(魚の浮き袋)、木耳、筍も正確な包丁仕事。まずは何も足さずに味わい、次に菊の花とレモンリーフを加えると、香りがきりっと立ち上がる。仕上げに散らされた腐乳のチップス、パリッとした食感が加わり、やさしさの中に芯が通る。これぞ広東料理の奥行きだ。
台北で正統派の蛇スープを食べるなら、「晶華軒」。天然の王錦蛇を使い、二種の上湯を合わせ、浮き袋で艶を添える。いつでも食べられる料理ではないからこそ、出合えた一杯が忘れがたい。今回は、京都「緒方」さんの来訪があってこその幸運。寒冬の夜に刻まれた、記憶に残る味だった。
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