Dinner at Miyamaso

Dinner at Miyamaso

at Miyamaso on 6 December 2021
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丹波山奥にある謙虚な美しさに心打たれる。

門外不出の、というフレーズを
昨今なかなか使える場所は少ない。
どこも統一化され同じような流行りの料理に毒され
人気のみで評価され、その評価がまたミーハーを誘い
よくわからないマーケットができあがってしまっている。

こちら美山荘は京都からなかなかの山道を走ること一時間。わざわざ出向いてのみ辿り着くことのできる
門外不出、の静かな美しいお宿、そして摘み草料理のお食事処である。

日の入り前に到着、思ったほどは冷え込んでいない。
川のせせらぎと夕陽の光がこちらの光景を一層際立たせる。

今回一番奥の石楠花へ通される。
外気は3度だが室内は十分に暖かく、一枚張りの大きなガラス戸からは縁台続く。紅葉も終わり冬の気配の花背の凛とした空気が我々の心を癒す。

暖かい離れの風呂でゆっくりと体をほぐし、深めの浴槽にじっくりと浸かる。
夕食まで一時間。
程よい塩梅だ。

風呂の後には生姜湯が届けられる。
涼しい川の音に誘われて縁台に出れば
ひんやりとした空気で体は一気にクールダウン。

さて、お待ちかねの夕食は母屋へ。
前回のテーブルスタイルとは趣を変えて今回は
茶懐石スタイルで。
お部屋は鶴の襖絵、欄間も鶴、と鶴尽くしのお部屋で
日本酒は八栄鶴、こちらは夏に訪問した酒蔵の日本酒である、、素晴らしい夕食は始まった。

謙虚な美しさ、とでも言えばよいだろうか、、。
どのお料理も、そして女将さんの佇まいにも
謙虚な凛とした美しさが存在する。

すべてが程よい。
そして全てがきちんと整っている。

幸福感に包まれた時空間を心ゆくまで楽しませて頂いた。

ディナー覚書

銀杏の朴葉焼き 
熱々の銀杏とお酒がなんとも良い。
2二十日大根のあちゃらづけ

原木舞茸の擦り流しにごまどうふ。
絶品でした。

生簀飼いの鯉
こちらの鯉には前回も驚いたんです、、
佐賀の龍水亭の鯉が日本一だと思っていたんですが
全く違うテクスチャー。旨味は前回のほうが強かったかな、、
姫大根、金山寺味噌、
もって菊の寒天。

八寸
地鶏卵の黄身の味噌漬け。
ジビエの最初は鹿肉。鹿肉には山葡萄をバルサミコにしたソースの味付け。

生の立派な落花生を茹でたものの炭火焼き。
栃餅をくだいてあられにしてあげた蒟蒻。
小さなお猪口にはやまくらげ
丹波の立派な黒豆の枝豆。立派でした。
川海老の揚げ物。

もくずがにの蒸しもの。
川蟹の上品な味わい。
最近上海蟹ばかりなのでこれはこれで質素でよい。

熊のすきやき
せり ゆば さといもと共に。
あぶらがとても甘い。
熊はあまり火を通さないほうが良いとのことで
さっと。

焼きカブラ。
ぐじ=甘鯛のかぶみぞれ仕立て
蕪の葉が程よいアクセントになっている。
それにしてもこの薄味のお出汁で甘鯛の甘さ、旨味、脂が際立っている。うまい。


こもち鮎
この時期の子持ち鮎は子に栄養がいくので親の味が弱くなる、、そこを杉板で香りをおぎなう調理法。
幽庵味噌漬けの鮎を杉板で挟んだ焼き物。


猪の頬肉。
えびいもをマッシュポテトにしたものと。
頬肉自体が苦手なので少し残してしまいました。


みそづけのグリル。
私はこちらの方が好み。

締めはゆりねご飯。
付け合わせは甘海老と梅、酒粕を合わせたものなど。

デザートは
柿の葉アイスクリーム。
熟し柿の表面がキャラメライズされたところに
アイスクリーム。美味しゅうございました!
さるなし=ベビーキウイの酸味が効いていました

9 / 10